証し 森田晋次



  • 2020/09/13

悲しみの淵を越えて


広島平和教会 副牧師 森田晋次

◇人生のゴール設定は豊かな生活

これから私の人生を通して働かれた神様の素晴らしい御業をお証したいと思います。私 はごく一般的な普通の家庭に生まれ育ちました。お正月には初詣に行き、お葬式では念仏 を唱え、結婚式は教会で挙げるといった典型的な日本の家庭です。小学生の頃から塾に通 い、親の期待に応えるべく、良い大学、良い会社に入り、豊かな生活を送ることが人生の ゴールでした。

大学生のとき、お金持ちになるために公認会計士を目指しました。4 年かかって念願の公 認会計士になりましたが、やはり激務で心と体が年々疲弊していきました。28 歳のときに 結婚して、30 歳のときに長男を授かったとき、このままではいけないと思い、人生を考え 直すことにしました。子どもの教育のことや将来のビジネス展開を踏まえ、海外に留学し てみてはどうかと思いました。そして、アメリカのビジネススクールで学び、その後、ア メリカで起業しようと決意しました。こう言うと聞こえはいいかも知れませんが、これは 建前で、本音では日本での激務、しがらみ、周りとの競争から逃げたいという気持ちも強 かったです。そして、31 歳のとき、会社を辞め、妻と生後6 か月の息子を連れて、アメリ カのカリフォルニア州はバークレーという街に行きました。



◇英語は現地調達

私は大学受験以来、英語の勉強をろくにしてこなかったので、英語力は現地調達でした。 語学学校に半年ほど通い、それからビジネススクールに通うというのが当初の計画でした。 アメリカに着いて、最初の1~2 週間が経った頃、トレーダー・ジョーズ(Trader Joe's)と いうスーパーマーケットに行ったときに、アジア系の顔をした女性が、突然後ろから日本 語で声をかけてくれました。その方は不慣れそうな私たちを見て、このスーパーはこの食 材が美味しいよとか、これはあんまりだよとか、いろいろと親切に教えてくれました。そ して帰り際に、もしよかったら自分が通っている教会に来ないかと誘ってくれました。私 たちはクリスチャンでありませんでしたし、教会にも行ったことがなかったので、正直戸 惑いました。でもアメリカに知り合いがいませんでしたし、アメリカ人と仲良くなれるチ ャンスかなと思って、思いきって行ってみることにしました。これは後から聞いた話なん ですけれども、彼女いわく、私たちが初めて会ったその日は、曜日的に絶対そのスーパー には行かなかったそうです。でもその日だけはなぜか聖霊の促しを感じ、行くことにして、 そして私たちを見つけて声をかけるようにと促されたそうです。それから私たちはその教 会に毎週通うようになりました。



◇妻の家族との一番の思い出

さて、私の妻なんですけれども、本当にお父さん大好きっ子で、アメリカに行ってから も、毎日決まった時間にお父さんとテレビ電話をしていました。何か特別変わったことが なかっても、元気?とか、ちゃんとご飯食べてる?とかいった会話をして、本当に楽しく 話をしていました。また妻には2歳年下の妹がいまして、この子が本当に面倒見がいいん です。私たちがアメリカの中で引っ越しをするときに、わざわざ日本からかけつけてくれ て、手伝ってくれました。この義父と義妹が二人そろってアメリカに遊びに来てくれたこ ともあって、それが今でも一番の思い出です。



◇悲しみのどん底へ

そんなある日、日本から1 本の電話が入りました。朝早かったので何かなあと思って出 てみたら、その義父と義妹が亡くなったという知らせでした。彼らはタイに、ツアー旅行 に行っていたんですけれども、その旅行先で乗っていたバンの運転手が居眠りをして追突 事故を起こしたそうです。父と妹のことを本当に愛していた妻は、風呂桶の底が抜けるほ どどん底に突き落とされました。このことを聞きつけた教会の人たちが、すぐに駆け付け てくれて、私たちに食事をくれたり、慰めてくれたりと、本当に優しくしてくれました。 それからすぐ日本に帰って、お葬式を済ませ、それから求道生活が始まりました。義父と 義妹は確かに亡くなったけれども、それで本当におしまいなのか?死後にも命があるのか、 死後の世界はあるのか?
あるんだったら、今彼らはどこで何をしているのか?それを徹底的に追及することを始め ました。これは例えるなら、迷子になった愛する我が子を探すことに似ていると思います。 我が子がいなくなったら、親は一生懸命探しますよね。そうした親にとって、「きっとどこ かで元気にしているはずだから元気だしなよ」といった言葉は、何の慰めにもなりません。 何県何市何番地にいるから大丈夫だよという言葉こそ、初めてその親にとって、励ましに なる言葉になるのではないでしょうか。私たちはそういった気持でお父さんと妹の死後の いのちを追及しました。



◇真実の探求

スピリチュアル、占い、霊媒、臨死体験、量子力学など、ありとあらゆる情報を探しま した。妻は死んだ霊と話ができるという本を書いている先生と会うために、わざわざ東京 にまで行きました。しかし、どれも情報不足、論理的一貫性がない、人によって言うこと が違うなど、これが真実だと納得できるものは何ひとつありませんでした。そうこうして いるうちに1 か月が経ち、再びアメリカに戻りました。私たちは空いた時間を使って、真 実を探求する、そうした日々が続きました。そんなある日、ある真実追及系のYouTube チ ャンネルを見たときに、聖書というキーワードが出てきました。



◇真実は聖書に

そして、私たちは聖書について調べました。妻があるとき、創造論に関する動画を見つ けました。そして大声で私を呼びつけ、私はそれを見ました。それを見たとき、私は大声 で「ガーン」と言いました。私たちが今まで何の疑いもなく信じてきた進化論が単なる仮 説でしかなかった。自然界には天地創造の神様がおられるという証拠がたくさんある。ノ アの洪水は本当にあったんだ、といったことがわかり、衝撃が走りました。それから聖書 について深く学び始め、中川健一先生の動画にたどり着きました。中川先生の動画から、 ヘブル的、字義通りに聖書を学ぶことの重要性、大切さを学びました。

聖書には宇宙の始まり、命の始まり、死の始まり、死後の世界など、私たちの知りたか ったことがたくさん書かれてありました。確かに聖書には、にわかには信じ難いこともた くさん書かれてありますが、聖書を字義通りに解釈したときにこれらは不思議な調和をも って、論理的に一貫したものとして、理解することができます。この聖書の説得力に私た ちは圧倒されました。聖書から真実の匂いがプンプンとただよってきました。 実は私たちは、中川先生の動画を過去にも見たことがありましたが、そのときはあまり関 心がなかったので、あんまりよくわからなかったんですよね。でもこのときは聖書に真実 が書かれているかもしれない、と思って学んだので、どんどん理解できました。そして、 聖書にこそ真実が書かれてある。この聖書を否定することはできないと思うようになりま した。

聖書にはイエス・キリストを信じずに死んだ人は、燃える火の池で永遠に苦しまなけれ ばならないと書かれています。亡くなった義父と義妹は、私たちの知る限り、イエス様を 信じていた様子は皆無でした。ということは、彼らが亡くなる直前に、神様の特別な介入 がない限り、彼らは永遠の滅びに行ってしまったということになります。このことをすぐ に受け入れることは到底できず、セカンドチャンス論の教えに惹かれることもありました。 でも、聖書を字義通りに学べば学ぶほど、神様が愛であり、義であるということがわかり ました。父と妹のことを世界で一番愛している妻よりも、はるかに彼らのことをよく知っ ておられ、また愛しておられる神様に信頼しよう、お委ねしよう。この神様が完璧に公平 に裁かれた結果が、永遠の滅びならば、それは仕方ない。納得の上、受け入れようと思っ た瞬間に、心に平安が宿りました。自分たちにとって都合の悪いことであっても、真実こ そが、真理こそが、妻の心を救ったんです。



◇神の御心に従い新しい人生へ

そして私たちは、イエス・キリストが私たちの罪のために十字架で死なれ、墓に葬られ、 三日目に蘇られたことを信じ、夫婦そろってクリスチャンになりました。そのときから、 かつてのように神様を無視し、地上に富を積むことばかり考えていた生き方を悔い改め、 神様の御心に従って、天に富を積む生活を送るようになりたいと思うようになりました。 正しく解釈された御言葉には力があります。私たちはそれから御言葉を学ぶことを最優 先にし、御言葉から力を得て、神様を賛美する生活が夫婦揃ってできるようになってきま した。コロナ禍にあっても私たちに与えられている神様の希望を見上げ、心平安にいられ ることを心から感謝しています。
この神様に全ての栄光がありますように。アーメン。

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