証し 新谷和子



  • 2022/04/30

わたしの愛する広島


広島平和教会 責任役員 新谷和子

私はヤベツという人について、今年のテーマ聖句として取り上げられるまでは、全く知り ませんでした。Ⅰ歴代誌4:9~10 を読み返しても、彼に関する詳細な情報は得られません。 ただ、『彼の母は、私が痛みのうちにこの子を産んだからと言って、彼にヤベツという名を つけた。』という事で、「ヤベツ」という名には「痛み」「悲しみ」という意味がある様で す。

普通、子供の誕生は喜ばしいものなのに、なぜそのような名前を付けたのかと思いますが、 旧約聖書を読んでみると、この様な例がよく見られます。視点を変えて見ると、ヤベツの 母は、自分の痛みや悲しみを赤裸々にイスラエルの神(ヤハウエ)に告白し、神の憐れみ を請うたのではないかと思います。そして、神にすがるしかない状況下で、神に全幅の信 頼をおく事で、今の状態から解放され、幸いが与えられる様にと祈ったのではないかと思 いました。

私は、広島の地で生まれ育ちました。そして今の教会の近くの小学校や中学校に通いまし た。広島は、原爆で焼け野原になりましたが、唯一この地区は、比治山の山陰で助かりま した。それ故、皆が戦後直ぐに住み始めたせいか、雑多に家々が建てられており、私が住 んでいた家も長屋のように隣と壁一枚で繋がっていました。道も狭くて、細い道がくねく ねと迷路のように沢山ありました。その当時は、皆が生きる事だけを考えていて、貧しい のは当たり前で、別に恥ずかしいという事もなく、一生懸命に生きていた様に思います。 近所には原爆で顔にやけどを負った女性もおられましたが、子供ながら特に気に留める事 もなく、過ごしていました。ご近所は仲が良くて、それなりに助け合っていたようです。 私の母は、時々夜中に大きな叫び声をあげました。私はびっくりして飛び起きていました が、きっと夢の中で焼夷弾が落ちて来るのを見たのかなと思っていました。母から戦争の 話は聞いた事がありません。私も多分母のお腹にいた時にそのような母の叫び声を聞いて いたせいか、暗闇恐怖症があります。今そのような子供時代の色んな事が蘇って来ました。 戦後の広島の復興の力は物凄いです。今の広島は、綺麗に整備されて、見違えるほど美し い町になっています。この教会も土地開発で少し移動しましたが、新しい教会が建ちまし た。

私達の教会の歴史を振り返ると、1928 年から始まって今年で94 年になります。凄い歴史だ と思います。戦前、戦後と大変な時代を通って今なお続いているのは、神様の守りがあっ たからです。また素晴らしい信仰者もいらして、継承されて来たお蔭です。この平和教会 は、ある3家族が集まって集会を持たれたところから始まっています。その中の中谷長老 (私達の聖歌隊の指揮者であった方のお父様)がこの教会を平和という名前が良いと言わ れて、広島平和教会となったように聞いています。原爆で焼け残ったこの町に、広島平和 教会が今も建ち続けているのは、神様のなさっている業です。また私がこの教会に導かれ たのも何か意味がある事と受け取っています。神様にとって全ての事に偶然はないはずで すから。

実際、今に至るまでには、沢山の神様の摂理的な御手の働きがありました。私達がにっち もさっちも行かない時、必ずどこからか助けが与えられて、持ちこたえて来られたからで す。

また霊的にも一新されました。ハーベスト・タイムに出会い、それから広島での聖書塾、 中川先生が牧師となられ、森田伝道師の按手式に至るまで、これらの事を誰が想像できた でしょうか?

『私を大いに祝福し、私の地境を広げてくださいますように。御手が私とともにあってわ ざわいから遠ざけ、私が痛みを覚えることのないようにしてください。』とヤベツは祈り、 神様は彼の願ったことを叶えられた。私達も何度か教会存続の危機がありました。その苦 難を通して、今は神様にある幸いを味わっています。神様は逆転劇を起こされる方です。 この世で起こる事も神様の視点で見るならば、神の国に入る準備であり、私達を訓練され ている1コマかなと思います。

信じている神様がどんな方なのか、その偉大さをもっともっと知り、この方と共に歩んで いる喜びで日々満たされたいと思っています。まだまだこれからですが、自分の偏狭的な 考え方、自己中心的な価値観から解放されて自由になり、御心のままに進んで行けたらと 思います。

イエス様が愛して下さったように、私達も愛し合い、その絆が広がっていくように願って います。苦難の中から立ち上がった広島の町、また倒れる寸前だったこの広島平和教会も 沢山の方々の支援を受けて、復興しています。私には、残されたものという意識が強く神 様から与えられていて、原爆で残されたこの地区、そこに建てられた教会、その教会に僅 かですが残された私達、その使命について考えます。ただ神様に従って行くのみですが、 神様がこの一年も祝福で満たして下さり、地境が広がって行きます様に‼、と祈ります。 神様に栄光があります様に‼

単 立 広 島 平 和 教 会

〒734-0021広島県広島市南区上東雲町9-10
Copyright © 2021 広島平和教会 All rights reserved.